比較は不幸の始まり

「不幸になる一番簡単な方法」――それは、他人と比較することです。
日常生活でも、受験生活でも、この「比較の罠」に落ちてしまうことは誰にでもあります。

SNSを見ていて、友人のフォロワー数の多さに落ち込み、「自分は人気がないのか」と思ってしまう。
知り合いが楽しそうに旅行する写真を投稿していて、「自分は平凡でつまらない」と感じてしまう。
友人が先生に褒められ、自分は評価されていないと感じる。弟ばかり親に褒められるのを見て、自分は愛されていないのではと寂しくなる。

比較する対象は無限にあります。隣の家の庭、友人の持ち物、SNSでの発信――。比較好きな人にとっては、まるで「不幸を製造する機械」のように次々と落ち込む要素が見つかってしまうのです。

受験勉強に潜む「比較の罠」

この比較の罠は、受験勉強の場面でさらに深刻になります。

友人が自分より早く問題を解けているのを見て「自分は頭が悪い」と思う。

同級生が推薦入試で合格し、「自分は評定が低いから話すら来ない」と落ち込む。

模試で友人がA判定、自分はC判定で「才能がない」と感じる。

SNSで合格報告を見て「自分だけ苦しい」と思う。

自習室で周りが長時間勉強しているのを見て、焦って無理をして体調を崩す。

浪人生の友人が好成績を取っているのを知って、劣等感を抱く。

数字で表される偏差値や判定、テストの順位。これらが並ぶ受験の世界では、どうしても「他人との比較」が避けにくい環境にあります。

しかし、比較から生まれるのは優越感か劣等感のどちらかであり、それは一時的な感情に過ぎません。優越感はすぐに不安に変わり、劣等感はやる気を奪い、時に健康すら損ないます。

スマホが生む「比較の中毒性」

比較のトリガーを強烈に押してくる存在が、スマートフォンです。SNSや動画を開けば、合格報告や勉強法、楽しそうな日常の様子が嫌でも目に入ってきます。

その結果、
「自分のやり方は間違っているのでは?」
「こんなに頑張っている人がいるのに、自分はまだ足りないのでは?」
と疑心暗鬼になり、勉強が手につかなくなることも少なくありません。

そこで、メディカルウイングではスマホを原則預かる仕組みを導入しています。もちろん必要なときは貸し出しますが、基本は勉強から気をそらす要因を遠ざけることで、集中できる環境を確保しています。スマホはある意味「麻薬」。一度触ってしまえば、勉強以上に夢中になってしまう受験生も多いからです。

本当に比べるべきは「昨日の自分」

比較がすべて悪いわけではありません。問題は「誰と比べるか」です。

唯一してよい比較、それは「昨日の自分」との比較です。
昨日より集中できたか。
数ヶ月前より学力が伸びているか。
過去の自分と比べて、成長を実感できているか。

このような比較は、自己否定ではなく自己成長につながります。

他人と比較して落ち込むのではなく、自分自身と比較して「確かに前に進んでいる」と確認すること。これこそが、長い受験生活を有意義に、そして結果につなげる秘訣です。

ライバルは過去の自分

受験生活の中で不幸を生む比較は数えきれません。SNS、模試、推薦合格の知らせ…。しかし、その多くは心を削り、勉強の妨げとなるものです。

だからこそ意識してほしいのは、ライバルは他人ではなく「過去の自分」だということ。
昨日の自分を少しでも超える。
その小さな積み重ねがやがて大きな成果となり、合格というゴールへつながっていきます。

他人に振り回されず、自分自身の成長を感じながら、前向きに受験生活を進めていきましょう。